日記

紫水 もか


『う、うそでしょこれ・・・。』

 かすれ声で呟くわたしに、部員の目線がチラチラとこちらを向きます。 なにもふんどしのサポーター忘れたからって、素っ裸で立たせるなんて 考えられないよぉ・・・。

晒し者ふたなりっ子

部員A「ね、ねえ、あれってほんもの・・・?」

部員B「みたいだね。」

部員C「おちんちん付いてる女の子って本当にいるんだね。」

部長「こら!あんたたち!談笑してるんじゃないの!」

 そそくさと散開する部員たち。部活の稽古中は私語厳禁、部員同士の 間隔を一定以上あけるのが決まりのようです。

 わたしはマネージャーなので部長さんの隣にいるわけですが、これがまた恥ずかしいこと この上ないです。部長と部員は向かい合わせなので、必然と部員の顔がわたしの方向へ向く 形となっているからです。

 ハズキさんに救いの手を求めるよう顔を向けると、ハズキさん本人がわたしのおちんちんを 凝視している始末。

『うぅ・・・早く終わってぇ・・・。』

 活動の様子はというと、上体を下げた姿勢での動きが多く、咄嗟に相手の体制を崩して倒す のが基本という、まさに相撲スタイル。一見護身には向かない気もするけど、咄嗟の体当たりで 相手を倒せば、立ち上がる前に逃げ切れる可能性が大きいのかもしれない。

 柔術のような関節技が多いのが護身術なのが普通だけど、咄嗟の動きで関節技が成功するかというと 疑問・・・そういうことを考えれば、がむしゃらに全身を相手に叩きつけるという単純なスタイルは理にかなっている 。全身を使えばどんなに体力がなくても衝撃は強い。・・・ただ、背後から襲われた場合は無力じゃないのかしら・・・?

 今の自分の状況を忘れるように「無駄なこと」を考える。と、気づかぬうちに本能で自分のおちんちんを両手で 覆ってしまっていたようで、部長がこちらに厳しい目つきをやりました。

部長「ほら、股間隠さない!罰にならないでしょ?」

 あわてて手を腰に移し、姿勢を正します。恥ずかしさに小さく震えるたび、おちんちんにその振動が伝わり プルプルと振るえて情け無いことこの上ないです。

 しかも普通のちんちんでなく、無毛で包茎・・・どんなふうに思われてるのかと思うだけで顔がどんどん 熱くなってしまいます。

『ハズキさん・・・。』

 横切ったハズキさんに声をかけるわたし。ハズキちゃんはわたしの股間に視線を経由しながら振り向きました。

ハズキ「部長きびしいっしょ?いい人なんだけどねぇ。結構あたしらも普段から気ぃ遣ってるんだよ。」

『そんなことより、あと何時間あるの?』

ハズキ「んと・・・今日はあと2時間かな。」

『に、二時間・・・。』

 あと、二時間もおちんちん晒したまま立ってなくちゃいけないの・・・?

恥ずかしくてどうにかなってしまいそうです。





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