日記

六合靖 つくし(くにやす つくし)


オナニー後のふたなりっ娘 がちゃ・・・

『はぁ、まだ来てないか・・・。』

 自宅の郵便受けを開けること今日だけで5回・・・。あたしは最近、アイドル事務所のオーディションに何件も応募している。

 ・・・とはいっても、ダンススクールに通ってもいなければ、カラオケのランキング参加しても毎回真ん中よりちょっと下。

 それでもあたしがこれほどまでに夢想をしているのは、葛さまのため!背丈はあたしと同じくらいの高さで、長い髪が素敵!背の順で並ぶと、毎回葛さまの後ろ髪を見てうっとりするくらい。  葛さまがお友達とおしゃべりしてるときに「つきあうならショートヘアのがいい」とか言ってたからショートにしたくらい!

 それで、最近だけど、葛さまがアイドルとして読者モデルにスカウトされたり、アイドル事務所で合格したとかいうことでその雑誌を隣町まで探し回ったりと、そらもう自分の中でお祭り騒ぎ!  ・・・その一方で、葛さまが又あたしからは遠い存在になってしまったのも実感したわけで。ただでさえ話しかけられないくらいの尊崇の念があるというのにこのままじゃ・・・。

 そんなわけで、あたしもアイドルになれればもしかしたら同じ局で活動できたり二人で雑誌飾れたりとえへへへ・・・。

 玄関前で口元を緩めていると、赤いバイクが近づいてくる。あたしはとっさに玄関の門を開けた。

『こんにちは!うちに用はありますか!?』

 毎日のようにあたしがこうやって話しかけてきていたからか、郵便局のおじさんもニコニコしながらこちらに顔を向けてくれた。

局員「あぁ。つくしちゃんだっけ。今日はあるよ。』

 おじさんが籠から差し出してくれたものは、まさしく有名アイドル事務所からのお手紙。

『ありがとうございます!!』

 大声を出して頭を下げる。面接用にと挨拶だけは練習しているせいで、おじさんは驚いていた。

 自分の部屋に戻りがてら封を開ける。あぁ、この時の緊張が一番いやなんだよね・・・。

『えぇい!ままよ!』

  ・・・いつもの”お祈りメッセージ”

 あたしはしょんぼりとした足どりで自分の部屋へ向かった。そらそうだよね、エントリー用紙の”特技”の欄で「しそ栽培」じゃ受からないよね・・・でもほかに趣味も特技もないし。

 部屋を開けると目の前のスマホから着信が。あたしはそれを取り上げて通達先を読む。

『あ、もういっこの事務所!』

 あたしはひとまず深呼吸をして、それから通話ボタンを押した。

『は、はいもしもし!六合靖つくし(くにやす つくし)です!』

[先日はエントリーどうもありがとうございました。本日は当アイドル事務所の1次試験通過の連絡をしにお電話させていただき・・・。」

『・・・え?』

 なんかもう後半は聞き取れなかった。試験通過という言葉で前進の産毛が逆立ち、スマホを持つ手が震えだす。 しばらくすると興奮が前進を奮い立たせ、通話中というのにあたしはその場で飛び跳ねた。

『やったぁあああああ!!!きゃああああああ!!!』

[あ、あの、もしもし・・・?]



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